アベマリア産院の病室は良くできた病室ではあるが、長い年月使用されてきたため、壁は何回 かペンキを塗り直してきたものの、窓と戸は修理しても最近は入院患者さんから夜は寒くて眠 れない、と言われて困っている。洗濯場にいたっては70年前のままで、入院が多くなり患者数の増加により洗濯物が多く、4人の人が働いているが使用できない洗い場もあり、水道管の修理を毎日行わなければならない状態となった。とうとう、工事の見積もりを依頼したところ別紙のようになったので、どうかご支援いただきたい。 産科の分娩室、未熟児室、診察待合室などの修理はなんとか自分たちの収入で済ませたが、薬品の高騰で全く資金の余裕がなくなり、JOMASにご支援をお願いすることとなった。 今、乾季で雨が一滴も降らない状態なので、この時期に工事を済ませたいと思っている。皆様のご賛同をえられるとありがたい。
決定 産科の病室と洗濯室の修理費用
2001年日本大使館が購入して下さった大型発電機が設置以来14年経ち、修理の繰り返しで、いつ完全に使用できなくなり病院機能中断となるか、毎日心配しなければならない状態である。
パキスタンでは毎日停電が時間を問わず定期的にあるため、発電機の獲得が全ての事業運営者にとって第一の必須条件となっている。
病院はようやく黒字体制になったばかりであり、高価な発電機を購入する事は難しく、2年にわたり発電機企画をカナダの援助組織に申請していたが多額で受け入れられなかった。
発電機なくしては一日たりとも病院は成り立たず、手術棟、新生児室のインキュベーターなどでの停電は命に関わる問題となる。100床入院産科病院にとって、大型発電機は病院の心臓機能を果たしている、といって過言ではない。
発電機の購入は最大の緊急課題であるため、ぜひ、支援をお願いしたい。
決定 聖ラファエル病院の発電機購入支援
2014年、国産ミルク“PIL”を使用する子供達(10か月以上児)を飲む子供たちが平均53.2人/月であったので、消費量が予算より少なく毎月6-7箱の使用で済んだ。国産ミルクの値段が上がったので、不足を心配したが、市役所から在庫処分前のミルクの現物寄付をうけ、ミルク購入がほぼ予算内で収まった。
2015年度はPILミルクを使用する幼児の予想は約55人であり、使用量を計算すると1日あたり3袋となる。2015年度はミルク購入支援金をフルにお願いしたい。
決定 2015年度 国産PILミルク購入支援金
(6月30日付メール審議済み)
5月31日現在で、森永BFミルクの在庫数が148缶、約49日間分で、7月中旬には在庫切れとなるため、緊急の手配をお願いしたい。オガールフアティマの2014年度の乳児の平均人数は8人/月だったが、2015年5月までの平均人数は9.6人となった。今年度の乳児の人数を平均10名と想定されている。
決定 2015年度 森永BFミルク 50箱(24缶入り)
かねてからご連絡いただいていた、深堀さんからの申請が届いた。深堀さんの所属はJLMM(Japan Lay Missionary Movement-一般社団法人日本カトリック信徒宣教者会)で、JLMMから信徒宣教者として東ティモールに派遣され、今回申請をされた。JLMMは誰もが人間らしい営みができる社会をめざし、それぞれの地域の人々と“共に生きる”事を目的として、カンボジア、東ティモールの2か国に4名の信徒宣教者を派遣されている。現在、東ティモールでは1名の信徒宣教者が、JLMMからNGO AFMET(東ティモール医療友の会)に派遣されている。NGO AFMETは1999年に設立され、住民の意識改革を基調とし、健康・衛生分野における情報の提供(各家庭、小学校での手洗い・歯磨きプロモーション)、保険のボランティアの育成、石鹸製造市民組合の組織作り、トイレ作りの支援、熱効率の良いかまどの普及使用促進活動を中心に事業を展開されている。
東ティモールは、独立から13年を迎えた。独立当初と比較するとその成長は著しく、1人当たりの国民総所得は$570(2004年)から$3,620(2012年)と上昇している。首都ディリでは、政府機関やデパートなどで女性の働く姿を見るのが当たり前になってきているが、首都から車で約6時間かかるラウテン県では女性が就業している姿はあまり見られず、子どもの面倒を見ながら家庭の菜園で野菜を収穫して販売している女性がほとんどである。多くの家庭がインドネシア等から輸入した油を用いて調理を行っているが、ココナッツの育つ地域に目を向けると、香りも良く、高栄養価、低カロリーのココナッツオイルを使用して調理を行っている家庭が目立つ。しかしココナッツオイルを作っている家庭は、昔ながら生成方法で、体力的に辛く、たくさんの量を一度に生産出来ない事が難点である。家庭で生産したココナッツオイルは、家庭内もしくは集落内で消費するのみである。2015年4月に、ココナッツオイル作りをしている家庭を対象(ラウテン県ロスパロス準郡ホメ村)として行ったアンケートでは、一週間のうちに一家庭が生産出来るココナッツオイルの量は20~30Lであった。 この調査をもとに、器具を効果的に使用した現代的なココナッツオイル生産方法を指導し、バージンココナッツオイル、ココナッツオイルを地元の製品として他地域に広げ、女性の自立を支援する事が目的である。
事業地域:東ティモール民主共和国ラウテン県ロスパロス準郡フィロロ村とする。(フィロロ村はラウテン県の中心地であり、他村からココナッツを集める事が可能であるため選ばれた。)
事業計画:地域女性の団結力を高めるため、ココナッツオイル生産グループを組織することから始める。
ラウテン県の農業局の協力のもとにグループを組織し、グループ管理に必要な定款・規則をメンバーと共に作成する。
⇒地元の製品を他地域に広める
⇒バージンココナッツオイルの精製方法をグループメンバーが理解する。このために、ラウテン県農業局スタッフをトレーナーに招き、ココナッツオイル、バージンココナッツオイルの精製方法についてトレーニングを実施する。
⇒グループメンバーがビジネス・マネジメントについて理解する。CDE(Business Development Center)のスタッフをトレーナーに招き、ビジネス管理の方法についてトレーニングを実施する。
⇒バージンココナッツオイル生産を地域産業へとつなげ、女性の自立を促す、
というものである。
オイル精製工場の建設、精製に必要な備品の支援、活動のフォローアップも実施する。
事業実施期間:6か月間を予定している。また、開始後1か月はラウテン県県農業局、CDE(Business Development Center)、準郡行政及び村長と提携して事業を実施する予定である。また、ラウテン県県農業局と共同で事業を実施するので、事業終了後も行政の責任のもと、局の活動の一つとしてグループの育成やケアのフォローアップを実施する。(スケジュールは別紙付録)
このプログラムの予想される結果は、
①グループメンバーが効果的かつ安定的にオイルが生産できるようになる。
②他村の住民からココナッツを仕入れることにより、他村の収入向上につなげる。
③グループメンバー自身が製品を管理できるようになる。
④グループメンバーが安定した収入を得られるようになる。
⑤広く地域住民がバージンココナッツオイルを入手しやすくなり、栄養失調児の減少などにつなげることができるようになる。
というものである。
直接受益者はラウテン県フィロロ村のグループメンバー15名、間接受益者としてラウテン県5準郡34村のココナッツを育てている住民、 ココナッツオイルを使用して地域特産品を製造している他のグループとなる。(例 : ココナッツオイルを使用して石鹸を製造しているグループFINI、ココナッツオイルを使用して薬用オイルを製造しているADM修道院のシスター等)
参考:バージンココナッツオイルとは古いココナッツではなく青く新鮮なココナッツの実から取り出した果肉を絞り抽出したオイル。古いココナッツや乾燥させた果肉から取られたオイルは加熱処理や漂白、脱臭処理など必要となるのに対して、バージンココナッツオイルは、無添加、無漂白で加熱処理を要さずビタミンEが豊富に含まれており、調理や食用、皮膚などにも用いることが可能である。動脈硬化や高血圧に有効とされている。
決定:東ティモールラウテン県での現地生産ココナッツオイル生産プログラムの支援