お具合が悪くて日本に帰っておられるとお知らせを頂いてからほぼ1カ月後、元気になりましたので、お目にかかりたいとご連絡を頂き、九段下の修道院にシスター末吉をお訪ねしました。
開口一番、昨日まで石巻、大船渡に行っておりましたとのこと。以下はシスター末吉から伺ったお話です。
「石巻、大船渡に伺って、カメルーンのピグミー族の小学校の子供たちが、ほんのわずかな金額ですが東日本の罹災者にとそれぞれ持ち寄ったお見舞い金とカードを司教様にお渡しして来たのです。帰ったら子供達にお話ししてやらなければなりませんので行って参りました。日本から学校、寄宿舎を建てて貰って勉強をしているあなた達は、今度は貴方達が助けなければいけないでしょう?とすごい津波の映像を見せて話した後での精一杯の彼等の行為でした。何しろ森の中が世界と思っている人達ですから、読み書き算数など勉強をする意味がわかるまで、根気のいる長い長い道程でした。何度森に逃げ帰ってしまう子供達に辟易したかわかりません。今年初めて学習の全過程を終了して卒業する子供を持ちます。やっと苦労が実ったと大きな大きな喜びを味わっているところです。」
子供たちが貰い根性を持たないように、何でも自分の知恵と手足を使って作りだす自立に繋げる努力をしていることなど、シスターは時間を忘れて熱心にお話下さいました。現在修道会で山を買って自作農を始めようとしているそうです。
写真は少し始まった開墾作業の様子です。JAICAに山の開墾をお頼みしたのですが、保障が困難だとお断りをされてしまいました。「日本人の私が住んでいるから大丈夫ですよ!と言ってみましたけれど……」と、残念なご様子でした。事実毒蛇に噛まれて凄まじい後遺症の子供の写真を見せて頂きました。森の中の生活は私達の想像を超えたものでしょう。草を刈って作業をした子供達の食事の準備の写真です。ピーナツのソースに猿の丸焼きの燻製を刻み込んで、山から摘んできた総合ビタミンのような草を加え出来あがったソースに、里芋のような粘った粉のお団子にソースをつけて食事をします。蛋白、ビタミン、ミネラルと完全食です。こんな森の中でも神様は十分な栄養のある食事を与えてくださっていますよとシスターは神様への賛美を色々に表現しておられました。食事は男女が別々に分かれて座ってとるそうです。共同作業を終えた子供達の喜びが伝わって来る写真です。
一気に話されるシスターの現地でのお働きに、まことの宣教師魂を強烈に感じさせて頂き、心から尊敬の念に満たされながら又の再会をお約束しておいとま致しました。
シスター兄部 記
ピグミのお父さんたちと開墾作業
左上、白い服装がシスター末吉
男の子は草刈
女の子は食事作り
バナナをむいてゆでる作業
ピーナッツとやし油の鍋の中に、
割いたサルの燻製を入れる作業
ビタミンたっぷりの草を摘んできた女の子
女の子たちの食事風景
男の子たちの食事風景