援助先からの手紙

JOMASの継続援助先であるペルーの日系老人ホームにおいて、施設職員と入居者が新型コロナ感染症に感染しました。JOMASは、運営者シスター川上からの報告と申請を受けて審議を行い、支援を決定。8月11日に緊急支援金を送金いたしました。

 

2020年9月に届いたシスター川上からのお便りを下記に掲載しました。

2020年9月20日 シスター川上スエ子からのお便り

長い間ご無沙汰しております。皆様には熱心なお祈りと同時にコロナ禍費用として寛大な大型寄付をしていただき心から感謝しながらこの数ヶ月を過ごしてまいりました。3月半ばから始まった緊急宣言自体に添って職員を寝泊りさせ、外部からの感染対策をしながらがんばって来ましたが、7月7日の検査で近くから通ってきていた炊事婦、掃除婦、看護師7名の感染が確認され、その場で自宅隔離に入ってもらいましたが、陰性だった入居者の中に症状が出始め、わずか1日だけ38度の熱を出し、酸素の必要も無いまま天国へ召されました。その時のショックは今もはっきり残っています。翌日15日には朝食まで食堂でとって冗談を言いながら部屋へ行った入居者が10時半ごろ様子がおかしいと呼ばれ、ずっと医者や看護婦達とみていましたが午後1時ごろから脈拍数や血圧が下がり始め、少しずつ意識が薄れだしたので家族に連絡を取り、私のセルラルを耳元に当て親しい家族に声かけをしてもらいましたが、3時46分には静かに息を引き取りました。そして18日に3人目のおじいちゃんも丸一日酸素を吸引しながら殆ど苦しまないまま昇天しました。4人目の91歳のおばあちゃんはずっと陰性で生活していたのに20日の夕方呼吸困難を来たし、酸素吸入をしながら治療を施してもらっていたのですが、22日の夕方静かに召されました。その間出来るだけそばに居て話しかけたりアメリカ在留の一人娘の声を聞かせたり、お祈りのうちに介護に尽くして来ました。それからは酸素が放せない入居者が増え、毎日夜明け前から酸素購入のため運転手や職員に行列してもらったり、職員確保や消毒液、マスク、医薬品購入など沢山の仕事をこなしながら入居者の健康状態に毎日心配と不安が募っていくのをどうすることもできませんでした。8月1日には手厚い看護にもかかわらず5人目の弔いになり、7日、9日と7名を送り出しました。8人目は63歳で3週間という長い期間酸素が外せない状態でしたが、流動食をしっかり食べ、話もしたりわりと元気に過していたので、急変したといわれびっくりしたのを良く覚えています。若いときタバコと酒の中毒で肺は真っ黒になっていたので、家族はとても感謝しています。この3ヶ月を振り返りやっと落ちつきかけていることに改めて感謝と喜びに胸をなでおろしています。この私も8月14日の検査で陽性反応が出、2週間2階で隔離生活を送りながら、無症状だったので電話や内線で仕事をこなして来ました。今は陰性ですが、これまでの緊張感、ストレス、疲労、心配が一気に出て、夜は2時間か4時間しか眠れず、しかも頭まで全身汗でびっしょりになっていて不具合に悩まされ、検査検査の毎日を過ごしています。痛さや吐き気などは無く、ちゃんと仕事をこなしていますのでどうぞご安心ください。最後になって申し訳ありませんが今日の時点で重症患者は0で、5名の感染者には聖ヨゼフ寮で生活してもらっています。いつどう状態が変わるのか気にはなりますが、90パーセント落ちついてきていますのでご報告させていただきます。これからもお祈りよろしく御願いいたします。12月まで余す所3ヶ月ですが、皆様の寛大な支援金は出来るだけ来年の継続支援金に回せるよう心がけています。本当に本当にありがとうございました。皆様からの援助金で8月からは赤字解消で安心しています。8名が天国へ召され3名が退所したので21名の入居者になっています。そのうちコロナウィルスの感染度が落ちついたら新しい入居者受け入れも可能ですが今しばらくは受け入れを断ることにしています。

 

下手の長文で失礼します。皆様に心からの感謝を御伝えください。午後4時から御ミサです。JOMASの皆様への感謝のごミサを捧げてもらいます。神様ご自身がお一人お一人に豊かにお報いくださいますように。

 

ペルー ベンタ二ャにて

イエスのカリタス修道女会 エンマヌエル憩の家 勤務 シスター川上スエ子

 

2020年9月21日 シスター川上スエ子からのお便り

早速の心温まるメール本当にありがとうございました。過ぎた3ヶ月の長すぎた聖週間を少しゆとりを持って振り返ることが出来るようになっています。おそらくこれまでの心身の疲れが出ているのだと思いますが、落ち着きを見せ始めている昨今、医師の指示に従って検査を受けながら、様子を見たいと思っています。食欲もあり、ちゃんと仕事はこなせていますのでどうぞご安心ください。

 

8名の入居者の一人ひとりの最期を看取り、苦しむことなく静かに神様の御許へ召されたことは、大きな慰めですが、保護者の面会が赦されず、遺体は看護婦によって黒の袋を幾重にもまかれ、その後せめてきれいな毛布にくるんで聖堂へ安置して、私だけがお通夜を行いました。その間にベッド周辺の私物を裏の畑で焼いてもらい、部屋の消毒を徹底しておこないました。葬儀屋さんが見え、遺体を移すときも家族は入ることが許されず、家族の傍らで霊柩車を見送りました。遺体に袋を被せるときにはさすがにそばにいる看護婦さんに支えてもらってやっと自分を維持できました。苦しまないで安らかに神様の御許へ召されたことへの感謝と慰めは大きいのですが、家族が来ても面会が許されず、通常のお通夜、お葬式が出来ないまま直接火葬場へ送り出すことへの心の負担が余りにも重くのしかかって、保護者への対応を終えた後は、ただただ神様これで良かったのですね、これもあなたがお許しになられたことですね、どうぞあなたのみ旨がおこなわれますように、とお祈りすることで心の平和をいただき、他の入居者や職員との日常生活に戻ることができました。このお恵みもいつも忘れずにお祈りしてくださっている皆様のお陰だと心のそこから感謝と喜び、勇気が沸いてきます。今月末に全員の検査を行うことになっていますが、5名の感染者を含めみんな無症状で生活出来ているので、感謝のうちに栄養ある食事に力を入れ、美味しく食べ元気に体操やゲームなどを織り込んで、明るい日常生活を送れるようがんばっています。又長くなって申し訳ありません。お祈り、支援金への心からの感謝をこめて。本当にありがとうございます。

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