援助先からの手紙

JOMASの継続援助先であるペルーの日系老人ホームにおいて、施設職員と入居者が新型コロナ感染症に感染しました。JOMASは、運営者シスター川上からの報告と申請を受けて審議を行い、支援を決定。8月11日に緊急支援金を送金いたしました。

 

シスター川上からのお便りを下記に掲載しました。

2020年7月27日 シスター川上スエ子からのお便り

午後何時なのかも分かりませんが、朝食、昼食抜きで夜も何時に床に入ったのか正直覚えていません。唯一わかっている事は朝のお祈り、黙想7時からのごミサにはちゃんと欠かさずに与って神様のお恵みを全面的に頂いてがんばっています。

前置きが長くなりました。本題に入ります。

3月半ばからの非常事態宣言からウィルス進入を防ぐため全面的に出来うる限りの対策をしてきたつもりですが、とうとう恐れていたことが現実になり不眠不休で取り組んでいます。 にっちもさっちもいかなくなりました。7月7日に職員、入居者、シスターズ3名全員検査の結果、職員7名の感染が発覚しその場で自宅待機に入ってもらいましたが、14日に2回目の検査では職員14名32名の入居者のうち5名とシスターを除いた他感染していました。各寮ごとにベットを移動したり大奮闘しながら職員確保の急務に時間を取られパニック状態です。14日、15日、17日と立て続けに3名が天国へ召されその間にも酸素吸入者が増え、人手不足にそれこそ大変な思いをしています。今日26日日曜日の時点で重傷者が4名、酸素吸入者が3名います。土、日に関わらず医師と経験ある看護師、検査員に出勤してもらって精密な血液検査をしてもらったり治療に当たってもらっています。今医師と一緒に4名の保護者に連絡を取ったばかりです。運転手を初め看護師、炊事婦、掃除婦ら、17名が退職したので人手不足にどう対処したらいいのか八方ふさがりです。酸素や薬、消毒液、マスク、防備服,あらゆる物が不足しています。人事確保と同時にお金が無くて本当に困っています。これまで皆様からの援助と保護者や恩人達との協力で赤字にならずに生きて来られたのですが、7月には月給以上のボーナス、そして17名の退職金を支払わないといけないのです。リマへ出ることも出来ません。リマの恩人にも電話でお金や酸素購入を御願いしたり時間がいくらあっても足りません。感染していても車椅子で動いたり元気で食べたり歩いたり出来る9名の入居者と2名の93歳と67歳の無感染者は別棟に分けていますが、それだけに職員が必要になるのです。夜勤も2人のためにいるのですから。元気なおじいちゃゃんおばあちゃんが心理的、精神的な面でこれまでにない不安を感じています。医師を初めすべての職員がマスクだけでなく黒色の防備服をまとい目だけを出している上新しい職員なので、その不安は想像にお任せします。毎日マードレ、マードレ娘を呼んでくれ、家に帰りたいと訴えられています。その一人ひとりに少しでも時間を取って言葉をかけたり座って肩を抱き関わりを持って安心させてあげる事が出来ないこの今の私の心境は神様以外には理解してもらえないと思ったりしますが皆様のお祈りには大いに期待しています。79歳で53年目の奉献生活,宣教者生活をしていてこれほどのゲッセマニを経験したことは在りません。毎日まいにち 神様何をお望みですか、どうすればいいのですか、と訴えています。聖週間がどれくらい続くかわかりませんが神様への信仰、希望と勇気を持って皆様のお祈りに支えられこの日々を復活への希望につないで行きたいと思っています。お祈りを御願いします、これまでに何回も離席したので理解できないことが多いと思いますが愛を持ってご判断ください。又呼ばれました。

2020年8月7日 シスター川上スエ子からのお便り

一ヶ月ぶりにリマまで行ってJOMASからの今年の援助金を引き出してきたばかりです。日系協会や新聞社関係の呼びかけで寄付金が集められているようですが、今日の時点ではまだ手元に届いていません。やはりここはペルーですね。ボーナスや退職金、7月の月給など先延ばしになっている人たちに支払うために奔走しています。今回の支援金は、24時間体制で医師と専門の看護師に働いてもらっていますので給料が倍に膨らむのです。それに入居者を3棟に別けて感染者の中でも無症状の人、症状が比較的軽い人、酸素吸入が必要な人と重傷者。無感染のたったひとりの93歳のおばあちゃんは全く別棟に隔離しているので職員への支払いも気になっています。まだまだ職員不足で時間を作っては連絡や面談、保護者、医師、看護師などの対応に寝食を忘れて走りまわっています。シスターが一番先に感染していると皆から心配され入居者と一緒に検査を4回も受けていますが、神様のお恵みと皆様のお祈りのお陰で陰性ですので、どうぞご安心ください。毎朝のごミサで特にご聖体拝領時には 全知全能の神様イエス様が今私の中に来てくださいました。どうぞ頭の天辺から手足の指先まで特に口、鼻を通して呼吸器官,肺,肋骨の一本一本に入っているウィルスをあなたがきれいに清めてください。そして傲慢のウィルスも謙遜のウィルスに取替えてくださいと。心から全くの信頼を持って自分の言葉で自分だけの本当の祈りを捧げています。一人ひとりの重症患者から名指しでイエス様にお任せしています。いくら時間があっても足りないのですが、祈り働けをモットーに元気でがんばっていますので続いてお祈りを御願いいたします。日系レストラン関係者が毎日メニューを作って昼食、夕食を届けてくれるので大助かりです。野菜や果物スープなどを準備して美味しく食べてもらうよう工夫しています。炊事婦も掃除婦もやめたり感染して自宅待機です。酸素も日系病院から2本は確保してもらっていますが1日しか持たないのです。いろいろ援助の手も少しずつ広がっていますが、やはり皆様からの寛大な援助金は医師看護婦、職員その他不可欠な運営資金として使用させていただきたいと思っています。今年の援助金はすでに今日までに銀行から引き出していますのでこれからの運営費や医療費としての援助金をいただければと心から願っています。よろしく御願いいたします。心からの感謝をお祈りに添えて。皆様の上に神様のお恵みがありますように。とうとう朝方になっていて驚いています。

2020年8月11日 シスター川上スエ子からのお便り

思いがけない大型支援金のニュースが舞い込んできて疲れが一瞬吹っ飛んで行った思いです。昨晩7時に7名目にあたる入所者(69歳)がなくなり、聖堂に遺体を移動した後一人でお通夜をイエス様と過し、7時からの修道院でのごミサに与りました。毎朝3人の共同体でのごミサに与れるので本当に大きな大きなお恵みに支えられこの一ヶ月間に及ぶ緊急事態に感染を免れ元気に働くことが出来ています。神様のお恵みを昼夜分かたずお祈り下さっている会員初め JOMAS恩人、知人の存在のありがたさをこれほど身近に感じたこともこれまでの人生で初めてです。あふれ出る感謝の気持ちを表現する言葉もありません。涙がにじみ出てきてマスクと防備服のままでは思うようにはかどりません。心身ともにこれほど疲れを感じたこともありませんが、リマから亡くなった入所者の一人息子が来訪しています。さいごの様子を説明し、お母さん初め誰もが苦しまないで安らかに神様の御許へ召されたことが私にとって大きな慰めになっていることを聞いて、穏やかに受け止め感謝しています。葬儀屋さんが来るまで思い出のアルバムや行事の写真などを見ながら待機してもらっています。熱いコーヒーとパンで朝食をしてもらい喜んで感謝しています。 ずっと働いている職員を交代で休ませるため他の職員探しや消毒、そのための入居者の移動など、体がいくつあってもいくら時間があってもたりません。連日35度前後の暑い日々と熱中症の危険にさらされている日本とは真反対なので毎日小雨がちらつく寒い日々です。3棟の各入居者一人ひとりに必ず声かけをと心がけていますが、ままなりません。93歳のたった一人の無感染のおばあちゃんには出来るだけ訪問したいとがんばっています。行くたびに完全に表情が変わり、その安堵と笑顔が私の心を癒し疲れを吹き飛ばしてくれるのを感じてます。どうぞ続いてお祈りください。少しずつ容態が良くなっている方も居ますが、今日の時点で91歳の膵臓疾患者、本当は人工透析が必要で1年前に病院から送られて来た方と、高血圧、アルツハイマー、糖尿病,などの持病を抱えている78歳のおばあちゃんが重態ですので、お祈りをよろしく御願いいたします。先月から給料を2倍にして医師と24時間体制での看護師に働いてもらっています。それ以外に3棟に分かれている入居者の面倒を看る看護師や職員の確保や、いつだれを休ませるか夜勤にまわすかなどなど頭も心も悩ましい限りです。最後は修道者にあってはならない愚痴になってしまいましたが弱い人間そのものをさらけ出せるのも身内以上のJOMASの皆様なのでつい思いのままを走り書きしています。皆様お一人お一人にお祈りと寛大な援助金への心からの感謝を御伝えくださいませ。読み返す暇も書き直す時間もありません。このまま失礼します。

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